コンピュータのトランザクションを分散管理するための技術。仮想通貨「ビットコイン」を支える基盤技術として考案された。米ナスダックが自社サービスの基盤に導入するなど、金融機関を中心に注目されている。

 ブロックチェーンは「口座Aから口座Bに1万円を送金」といった金融サービスで発生する様々な取引情報(トランザクション)を、ネットワークでつながる多くのコンピュータで分散管理する技術です。特徴は2つあります。

 1つは全ての取引情報をネットワークでつながった全てのコンピュータで共有していることです。新たな取引情報が発生すると、そのたびに全てのコンピュータで取引情報を更新します。そのため、あるコンピュータで障害が発生して取引情報が消えたとしても、それ以外のコンピュータに全く同じ取引情報が残っているので、金融サービスを継続して提供できます。

仕組み:ブロックで数珠つなぎに保管

 もう1つの特徴は取引情報を分散管理する仕組みが、非常に改ざんされにくくなっていることです。これが、堅牢であるブロックチェーンという名の由来にもなっています。以下で詳しく見てみましょう。

 ブロックチェーンでは、取引情報を1件ずつ記録するのではなく、ある程度の件数をまとめて記録します。このまとまりの単位を「ブロック」と呼びます。例えば、取引情報100件ごとに1つのブロックにまとめるとすれば、101件目の取引情報は次のブロックにまとめられることになります。

 ブロックには、取引情報とは別に「ヘッダー」と呼ぶ情報が先頭に付加されます。ヘッダーには「ブロックにまとめられた全ての取引情報のハッシュ値」と、「直前のブロックのヘッダーのハッシュ値」が記録されます。このように「今」と「直前」という2つのブロックの情報を記録しておくことで、ヘッダーが全てのブロックを1本の「チェーン」で数珠つなぎにする役割を果たしているのです。