インターネットを使ったオンライン講義のこと。米スタンフォード大学や米マサチューセッツ工科大学(MIT)といった世界トップレベルの大学の講義を、誰でも無料で受講できる。

 2012年初め、米国のスタンフォード大学やMIT、ハーバード大学が、新たな取り組みを始めました。各大学の講義内容を動画に収録し、インターネット上に公開したのです。しかも、入学試験や学歴、学費といった受講に必要な資格や条件は、一切設けませんでした。ユーザー名とパスワード、メールアドレス、氏名さえオンラインで登録すれば、誰でも無料で受講できるようにしたのです。

仕組み:1科目を数週間で修了

 こうした大学の講義内容をインターネット上に公開し、その大学に通っていない人でも自由に受講できるようにしたオンライン講義のことをMOOC(ムーク、Massive Open Online Course)と言います。

 MOOCは、1つの受講科目を4週間ほどで学習します。基本単位は1週間で、インターネットには毎週、新しい講義が公開されていきます。受講者は次の講義が公開されるまでの1週間のうちに、講義を受けておくわけです。

 講義内容のなかで不明な点があれば、同じ講義の受講者同士が教え合う仕組みです。そのための掲示板機能が用意されています。4週間かけて一通りの講義を終えると、修了試験が実施され、合格点に達すると修了証が発行されます。