接客などの用途で活用するヒト型のロボット。AI(人工知能)を備えたコンピュータシステムとデータをやり取りすることで、必要な場面で最適な顧客対応を選択する。

 金融や食品などの業界で、接客にロボットを活用する動きが急速に広がってきました。これまでロボットといえば、工場における製造支援が中心でしたが、ここにきて接客まで適用範囲が拡大しています。

 顧客対応に活用するため、ヒトに似せた親しみやすい外見が特徴のヒューマノイド(人型)ロボットも脚光を浴びています。その代表格がソフトバンクロボティクスが提供する「Pepper(ペッパー)」でしょう。

 ヒューマノイドロボットはあいさつや顧客との対話、商品提案といった多様な業務をこなします。そのため、顧客の行動に従って応対を変えなければならず、“学習”が必要になります。そこではビッグデータ分析の活用が欠かせません。

効果:AIで接客履歴を学習

 ヒューマノイドロボットが接客分野で注目を集める理由は、大きく2つあります。

 1つは人手不足への対応です。経済環境の好転や2020年の東京五輪を数年後に控え、様々な業界で人手不足が深刻になっています。特に不足感が顕著なのがサービス業です。

 そこでロボットに簡単な接客を任せ、担当者には「御用聞き」などヒトでないとできない難しい仕事に集中してもらいます。役割分担をはっきりさせる狙いがあります。

 もう1つは、AIの進化があります。接客に活用しようとする各社ともロボットを導入して終わりではなく、日々の接客履歴を蓄積・分析していき、AIを通してロボットが学習していく青写真を描いています。