2014年度における国内の情報システム子会社全体の売上高。矢野経済研究所が2015年3月に「情報システム子会社の経営環境と戦略展望2015」という調査で発表しました。

 同社は2014年11月から2015年2月にかけて、国内の情報システム子会社にヒアリング調査などを実施。その結果を受けて、国内全体で見積もったところ、前年度に比べて1.2%増加する数値を導き出しました。

 興味深いのは、全体の売上高が増加した背景です。調査結果ではまず、これまで抑制気味だった企業のIT投資が、アベノミクス効果で増えたことを要因に挙げます。

 加えてマイナンバー制度に関連するシステム改修のニーズが地方自治体を中心に高まっており、親会社以外へのビジネスである「外販」の増加も要因としています。

 つまり、民間企業ではまだ本格化していないマイナンバー制度への対応が、地方自治体では既に進んでいる事実がうかがえます。さらにマイナンバー対応が、ITベンダーにとどまらず、情報システム子会社のビジネスにも波及しているといえます。

 同社は2015年度の全体の売上高も予想しています。前年度比で1.9%の伸びを示すとみています。

 マイナンバー制度への対応で、外販が引き続き拡大することもありますが、親会社のグローバル進出に伴ってシステムの統廃合や開発プロジェクトが増えつつある点も、増加要因として挙げています。

 ですが2016年度から2017年度にはそれらの需要も一段落して、横ばいになるとしています。