データを基に予測したり、パターンを発見したりするソフトウエア技術のこと。ECサイトのレコメンド機能での採用事例が多い。このほかのビジネスへの応用にも期待が高まっている。


 プロ棋士と対等に勝負する力を備え、2013年11月にコンピュータ将棋大会の頂点に立った「ポナンザ」。2011年、クイズ番組で賞金100万ドルを獲得した米IBMの質問応答システム「ワトソン」。新聞などをにぎわすこれらのソフトには機械学習と呼ぶ技術が採用されています。

用途:データを基に予測や発見

 機械学習は人工知能技術の1分野で、人間に相当する学習能力をコンピュータに持たせるソフトウエア技術です。その歴史は古く、1950年代から研究が始まりました。

 機械学習の用途は2つあります。1つが過去のデータを基に将来を予測すること。特にEC(電子商取引)サイトで商品を勧めるレコメンド機能で多く利用されています。2000年代後半、オンラインビデオ配信大手の米ネットフリックスが、機械学習を使ったレコメンデーションソフトのコンテストを数年にわたって実施。多くのプログラマーが挑み、機械学習の適用が急速に進みました。

 今では、米アマゾン・ドッド・コムや米グーグルが検索結果の表示順を自動的に入れ替えるために、機械学習をシステムに組み込んでいます。このほかSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上にある大量のコメントの「ポジネガ分析」にも機械学習が利用されるケースが増えました。