性別や年齢、購買履歴などの会員データやウェブサイトのアクセス履歴などを一元管理し、マーケティングに活用するためのシステム。商品開発や広告配信に生かせるとして、注目を集めている。


 今、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)と呼ばれるIT(情報技術)システムが大きな注目を集めています。DMPは、企業がマーケティングを展開するために必要な社内外のデータを一元管理し、自社のマーケティング戦略を立案したり、広告配信を最適化したりします。例えば、会員の性別や年齢、ウェブサイトの閲覧履歴、購買実績などを収集・管理します。最近は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など外部の定性的なデータを取り込み、DMPで管理する取り組みが盛んです。

課題:データの統合に膨大な手間

 米アドビシステムズは2013年7月、約6億ドル(600億円)を投じて、DMPの構築を支援するソフトを手掛ける仏ネオレーンを買収。米テラデータは2011年、米アプリモを買収し、同様のソフトを提供しています。日本では、DMPの構築を支援する機能を備えたクラウドサービスを提供するネット広告会社が増えています。

 ネット広告の業界団体である米IABなどの2012年の調査によれば、「既にDMPを導入済み」と「今後1年以内に導入を予定している」と回答した企業を合わせると、全体の6割に達します。野村総合研究所の中村博之情報技術本部先端ITイノベーション部上級研究員は、「ここ半年でDMPに関する引き合いが急激に増えてきた」と言います。