種類の異なるプライベートクラウドやパブリッククラウドを組み合わせたシステム形態。クラウドの普及で多くの企業がこの形態を採用する。クラウドと社内システムの組み合わせを指すこともある。


 総務省が実施した調査「平成24年通信利用動向調査」によれば、クラウドを利用する企業の割合は28.2%。資本金50億円以上の大手企業に限れば52.8%に達しています(回答企業2071社)。2012年末の結果なので、現時点ではさらに多くの企業がクラウドを利用していると見られます。

 米アマゾン・ドット・コムが提供する「Amazon Web Services」のようなパブリッククラウドサービスのほか、最近では企業が自前で構築するプライベートクラウドも急速に普及しています。

動向:連携手段への関心高まる

 クラウド利用が広まるとともに、クラウドと社内システム、あるいは複数の異なるクラウドを連携させるケースが増えています。それに伴い、ハイブリッドクラウドの効果的な導入・運用手段をどうするかについて、ユーザー企業やITベンダーの関心が高まっています。

 最近では富士通が2013年11月、ハイブリッドクラウド向けサービスを強化することを発表。ユーザー企業独自の社内システムや、日本マイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Windows Azure」との連携機能を前面に押し出しました。

 運用管理ソフトの対応も急速に進んでいます。中でも注目を集めているのが、Amazon互換のクラウドサービスを実現できるオープンソースソフト「OpenStack」です。今後、こうしたソフトを使って、ハイブリッドクラウドを実現するためのワンストップサービスや、異なるクラウドサービスへの移行支援サービスも増えそうです。