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西村 崇=日経情報ストラテジー 2016/10/28 日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2016年 2月号p.17
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利便性を高めるために組み込まれた人工知能(AI)。日程調整の代行やメンタルヘルスで問題を抱える社員の発見といった用途があり得る。

 コンピュータに人間のような推論や判断をさせるAIへの関心が急速に高まっています。AIは既に消費者向けの製品やサービスにも広く使われており、例えば自動運転車の実現も夢ではなくなってきました。

 2015年後半からは、企業内のオフィスワークにもAIを適用する動きが出始めています。なかでも、社内SNSにAIを組み合わせた、社内ソーシャルAIと呼ばれる用途が典型でしょう。

活用:面倒な日程調整を肩代わり

 動きの1つは「社内SNSのユーザーの1人としてAIを“参加”させ、日程調整を任せる」というものです。NTTコムウェアが2015年11月にその技術を発表しました。同社の社内SNSサービス「シャナインTALK」にAIを参加させ、実際の利用者が「A部長とBさんとで打ち合わせをしたい」と書き込みをしたとします。

 するとAIが内容を理解し、スケジュール管理システムにアクセス。A部長とBさんと本人の空き時間や会議室の利用状況を確認して「明日の朝10時から11時までは予定が空いています。第1会議室はどうですか」などと、AIが返答してくれます。同社の森脇康介スペシャリストは「日常業務のなかでも面倒な日程調整の手間が省ける」と説明します。

 11月の発表時点ではスケジュール管理システムの利用にとどまりますが、「決裁や勤怠などを管理する多くの社内システムをAIを介して連携させ、社内業務をより一層効率化できるようにしたい」と、開発に携わる後藤充裕氏は話します。

動向:心理的不調の検知に応用

 社内SNSサービス「Talknote」を提供するトークノートは「社内SNSの利用状況から参加者の異変が見つかったとき、その社員はメンタルヘルスの面で不調を来していることが多い」点に注目。通常とは異なる利用パターンの検知に、AIの活用を見据えています。

 同社の小池温男代表取締役は「部下の不調の兆しを社内SNSから早めに捉えることで、上司が部下に声をかけたり、部下の相談に乗ったりすることで、従業員満足度の維持・向上につなげられる」と語ります。

 第一歩として2015年11月に「アクションリズム解析」という新機能をTalknoteに追加しました。日常業務で活用しているという前提で、サービスにアクセスした時間やコミュニケーション量といった数値データを、利用者1人ひとりについて分析。普段の使い方と比べて異変があれば、利用者の上司に通知します。

 現状では異変を見つける統計モデルを人手で開発したり、改善したりしています。しかし、統計モデルの改善がある程度進んだら、「AIを適用して高い精度で予測や推測をしていく」と、同社の三浦堅右開発チームリーダーは見通しを語ります。

 「AIは人の仕事を奪う」とみなされがちです。しかし、社内ソーシャルAIのように、オフィスワーカーの日々の業務を支えるパートナーとみなし、共存していこうという動きも出てきているのです。

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