ビッグデータのなかから潜在的なカテゴリーを導き出す分析手法の1つ。現場担当者も気づかないような意外なカテゴリーが発見される成果が相次ぎ、ビジネスへの適用が本格化している。


 「顧客情報を分析しても、見つかるカテゴリーはありふれたものばかり。意外性がない」──。マーケティング担当者の多くは、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

 ところがここ1~2年、あるマイニング手法によって意外なカテゴリーの発見が相次いでいます。それがPLSA(確率的潜在意味解析)です。

事例:顧客と商品を同時に分析

 PLSAには2つの特徴があります。1つは「顧客と購入商品」や「観光地とクチコミ評価」といった2種類の異なるデータを同時に分析し、カテゴリーを作る点です。「顧客」といった1種類のデータで行う従来の分析手法に比べると結果が多彩になりやすくなります。

 もう1つは、1件当たり数千項目にもなるデータが数百万件あっても、そのまま分析にかけられる点です。項目数などを絞り込む必要がある従来の手法とは異なり、「ありのままのデータを分析するので、顧客の興味や関心が結果に反映されやすい」とPLSAに詳しい東急エージェンシーの佐々木憲二データコンサルティング部部長は説明します。