無人の小型ヘリコプターや飛行ロボットの総称。米アマゾン・ドット・コムがネット通販商品の宅配に使う方針を打ち出した。米国やドイツを中心に、実用化に向けて各社が研究開発を進めている。

 スマートフォンから商品を注文すると、すぐに自宅の玄関先まで無人の小型飛行機が届けてくれる――。SF映画のような世界が現実となる日は遠くないのかもしれません。

 アマゾンは2013年12月、ドローンと呼ばれる小型無人飛行機を通販商品の宅配に活用する方針を打ち出しました。最大で5ポンド(約2.3キログラム)の荷物を、物流施設から顧客の玄関先まで30分以内に届けることを目指しています。

 米グーグルも2014年8月に、ドローンを使った配送計画「プロジェクト・ウイング」を明らかにしました。オーストラリアで実験を始めており、関連メーカーのM&A(合併・買収)も積極的に進めています。

 ドローンはUAV(Unmanned Aerial Vehicle)とも呼ばれます。形状は様々ですが、複数のプロペラを持つものが主流で、国内外の企業が開発を競っています。

 用途は商品の運搬にとどまりません。これまでの農薬散布のような使い方に加えて、施設の警備や設備の保守管理、石油・ガスなどのプラント資材管理といった具合に、活用範囲は急速に広がっています。