米アップルのiPhoneを業務で利用する企業に向けた、ユーザーサポートを支援するサービスのこと。2015年春以降、アップルではないITベンダーが出張修理などのサービスを相次ぎ始めている。

 外出先や移動中でも社員がコミュニケーションを取りやすいように、法人向けにもスマートフォンが普及してきました。なかでも圧倒的に多いのがiPhoneです。日経コミュニケーションが2014年に実施した「企業ネット/ICT利活用実態調査」では、スマートフォン利用企業のうち、82.7%がiPhoneを使っていると回答。アンドロイド端末を30ポイント近く上回っています。

 こうした動きに合わせるように2015年春以降、iPhoneを業務で利用する企業を対象にした、ユーザーサポートを支援するサービス、いわゆるiPhone活用支援サービスが続々と登場しています。

背景:企業は故障対応が手間

 その1つが2015年5月、バッファロー・IT・ソリューションズ(東京・中央)が提供を始めた、iPhone 5/5s/5cを対象にした出張修理サービス「スマッ修!」です。ウェブや電話で依頼すると、バッファローの担当者が客先を訪問。その場で修理をします。修理はユーザーが直面する不具合の7割を占めるフロントガラスの破損とバッテリーの交換に絞っているのが特徴です。

 同社の後藤宏聡ITソリューション事業営業部長によると提供開始の背景には「数百台規模でiPhoneを導入した企業では、社員からの故障対応依頼に追われている厳しい現状がある」といいます。「通信キャリアに修理を依頼しても、すぐに端末は戻ってこない。システム部門が、代替機を用意して貸し出し、何とかしのいでいるのが実情だ。修理に出すと新しい端末に交換されることもあるので、事前に端末内のデータをバックアップしておく必要もある。出張修理であれば、それらの手間を全て省ける」と話します。

 スマッ修!の修理時間は、担当者が到着してから30~60分ほど。費用は1回、1万円前後です。修理後はアップルの保証対象外になりますが、すぐに“現場復帰”できるメリットがあります。今後は、首都圏を中心にした現在の出張エリアの拡大や、iPhone 6やiPadといった対象機種を増やしていく予定です。