ネットを通じて、世界中の人々の知見やノウハウを活用できる状態のこと。最近は高い専門性を持つ人材と容易にコンタクトが取れるサービスが登場している。


 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が2014年4月に発表した、製造業の未来を調査した報告書が注目を集めています。GEはこの報告書のなかで、製造業を変革する3つの力を挙げています。

 機器から収集した稼働データを運用・保守に生かす「インダストリアル・インターネット」、3Dプリンターといった新たな技術を使って生産効率を高める「アドバンスト・マニュファクチャリング」、そして「グローバル・ブレイン」です。

特徴:社外の“頭脳”も生かす

 グローバル・ブレインとは、人々の知見やノウハウがネットを通じて1つに集約された状態を指します。GEは報告書でグローバル・ブレインを「人間版のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)」と表現し、「(今後は)さらに巨大で強力なものになっていくだろう」と結論付けています。

 グローバル・ブレインに容易にアクセスできるようになると、「企業」と「個人」の双方にメリットが生まれます。企業は必要に応じて外部の優秀な人材に仕事を任せられるようになります。社内のリソースだけでは生み出しづらい新たな視点を得やすくなるわけです。一方、仕事を請け負う個人にとっては、より主体性を持って、自らの経験やスキルを広く生かすことができます。

 企業がグローバル・ブレインに素早く“アクセス”できるように支援するサービスも出てきています。例えば、企業と個人を結び付ける「クラウドソーシング」がそうです。

 最近では、特定の業種に特化したクラウドソーシングも登場しています。より専門性が高い仕事を外部に任せて、イノベーションを加速させようという狙いです。