ウェブサイトのコンテンツが複数あるとき、どれをどの割合で示せば全体で多く閲覧されるかを、自動的に導き出す機械学習の手法。A/Bテストの自動化を図る技術として注目されている。


 ネットの世界ではA/Bテストの実施が進んでいます。同じウェブページで複数パターンを事前に準備し、それらを一定回数ずつ出し分けることで、どのパターンがより多く閲覧されるかを見る手法です。

 ですが「当初決めていた回数に達する前に結果が見えても、担当者が気付かなければテストを続けてしまう」などの課題がありました。

原理:スロットマシンの儲け分析

 その課題を解消する手法として、ここ1年で注目が集まっているのがバンディッドアルゴリズムです。人間のような学習能力をコンピュータに持たせる、機械学習の手法の1つです。専門書などで紹介されている計算式を組み込んだプログラムを開発することで活用できます。

 具体的には、A/Bテストと同様に、複数パターンを出し分けるとき、ユーザーの反応を把握します。反応が良いパターンは多く出し、そうでないものは少なく出すようにしていきます。「複数銘柄にどう投資していけば最大の成果が得られるか」という株式などの投資ポートフォリオの最適化に通じるといえます。

 名前は「ワンアームド・バンディッド」という別称を持つスロットマシンからきています。「スロットマシンが複数台あるとき、限られたコインをどの台にどれだけ使えば、最大の成果が得られるか」を計算する手法として、1950年代から研究が始まりました。

 コンピュータの進化で、再びこの手法が注目されています。国内で脚光を浴びるきっかけになったのは、2013年半ばに専門書の日本語版が登場したことです。「A/Bテストよりも効率良く成果が得られる可能性がある」として、ネット関係者の間で話題になりました。