社内外の膨大なデータを組み合わせて分析し、商品とサービスの開発や企業の意思決定に生かす考え方。米バブソン大学のトーマス・ダベンポート教授が提唱している。


 企業のビッグデータ活用が新たな段階に入りつつあります。IT(情報技術)の進化により、ビッグデータを安価に、しかも素早く分析できるようになっているためです。データ分析に詳しい米バブソン大学のトーマス・ダベンポート教授は「大企業における本格的なビッグデータ活用の黎明期といえる今が『アナリティクス3.0』の時代の始まりだ」としています。

 アナリティクス3.0とは、顧客データをはじめとした社内のデータだけでなく、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)といった社外のデータまで組み合わせて分析し、商品開発や意思決定に生かす考え方を指します。

 ダベンポート教授は、1950年代から2005年ごろまでを「アナリティクス1.0」の時代と位置付けています。このときの分析対象は、社内のデータが中心でした。過去の出来事を説明したり、レポートを作成したりすることが主たる目的だったのです。分析もバッチ処理が主体で、分析時間は数カ月かかることも珍しくありませんでした。

 次いで、時期は一部重なりますが、2000年代初めが「アナリティクス2.0」の時代になります。一部の先進的な企業が社外のデータを収集し、社内のデータと組み合わせて分析し始めました。しかも、従来からある分析用のパッケージソフトだけでなく、オープンソースのソフトも駆使し、リアルタイムのデータ分析基盤を構築し始めたのです。