2019年における、ビッグデータ分析に使われる情報システムなどのインフラの国内市場規模見通し。調査会社のIDC Japanが2015年5月21日の記者会見で公表しました。2014年には444億円でしたので、年平均成長率27%のペースで、拡大を続ける計算になります。

 2008~2012年ごろのビッグデータの興隆期に市場をけん引したのは、情報・通信やインターネット関連企業といった、もともと大量のデータ処理やインターネット上のアクセス解析にノウハウを持つ業種でした。そこに新たに2013年ごろから、製造やサービス、小売りといった業種の大企業にもビッグデータへの関心が広がり、成長の起爆剤になりました。

 ただ、今後もビッグデータ市場が伸び続けるには、越えるべき壁があると、同社は指摘します。国内企業を対象に2015年1月に実施した調査によると、まだビッグデータ分析に「当面取り組む予定がない」とした企業は55.9%に上り、2014年の前回調査(39.8%)から16ポイントも増えました。ビッグデータへの課題を尋ねたところ、「人材不足」(43.7%)と「予算不足」(41.5%)が1位と2位を占めています。

 同社ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は「今後ビッグデータ市場を拡大するには、中堅以下の企業をどう取り込むかが課題。人材面では海外のデータサイエンティストをオフショアで確保すること、費用面は安価に導入できるクラウドサービスの充実が鍵になる」と指摘します。