スマートフォンの技術を一部取り込み開発した従来型の携帯電話(ガラケー)。折り畳み式でテンキーが付くなど、外観はこれまでのガラケーとほぼ同じ。ただし、OSはアンドロイドを採用している。

 ガラホとは、従来型の携帯電話の通称である「ガラケー」と、スマートフォン(スマホ)を掛け合わせた造語です。2015年の春商戦向けの新製品として、KDDI(au)がシャープ製のガラホを初めて商品化。2015年夏にはNTTドコモも発売しました。

背景:ガラケー継続に限界

 2008年に米アップルの「iPhone 3G」が日本で発売されて以降、スマホは急速に浸透しました。auによると、既にスマホの普及台数はガラケーを上回り、今後もスマホ比率は高まる見通しです。

 一方でガラケーを使い続けたい人も依然として多くいます。調査会社のMM総研によると、2014年4月から2015年3月までの国内のスマホ出荷台数は、前年度比7.2%減の2748万台にとどまりました。一方で、ガラケーの国内出荷は同6.0%増の1040万台と、7年ぶりに増加に転じたのです。慣れた端末の方がいい、物理的なボタンがあった方が使いやすい、細長い折り畳み型は持ちやすく通話もしやすい、スマホは月額料金が高い―。様々な理由で、今もガラケーを使い続ける人がいます。

 ところがガラケー自体は存続の危機に瀕しています。全盛期よりは市場が縮小したため、近年は大幅な改良を避け、旧来のOS、プロセッサー、通信制御LSIなどを使い続けています。しかし、主要部品の生産終了や技術者の退職などで、新機種の開発はおろか、現行機種の継続販売も難しくなっているのです。

 そこで出てきたのが、外観やボタン配列はガラケーを踏襲しつつも、中身を入れ替えたガラホです。OSはスマホと同じ米グーグルのアンドロイドを採用。LSIもスマホと共通にし、スマホの技術者が開発やサポートできるようにしました。