2018年における日本企業のIT支出規模の予測値。ガートナー ジャパンが2015年3月、「2015年度国内IT投資動向」のなかで明らかにしました。同社は、2014年10月から12月にかけて、国内企業703社を対象に調査を実施。その結果、2015年度はIT投資の伸びは少し鈍るものの、ビジネスの変革や成長に直結する投資は従来同様に増えていくことが、調査から見えてきました。

 2014年のIT支出規模は前年比2.5%増の24兆1439億円。堅調に推移する景気のほか、ウィンドウズXPの保守切れや消費増税に伴うシステム対応のズレ込みなどで増えました。ただし、その反動によって2015年は前年比0.6%の増加にとどまると、ガートナー ジャパンはみています。

 同調査では、企業が攻めのIT投資に動いていることも明らかになりました。IT予算のうち「運営」「成長」「変革」のどれを増減させるかを聞いたところ、「運営」への投資を増やすと答えた企業は12.0%だったのに対し、「成長」「変革」に投資を増やす企業はともに27%台と上回りました。

 IT部門がシステム利用部門のニーズに対応しきれていない状況もみえてきました。2012年と2013年の調査と今回の2014年の調査を比べたところ、IT予算管理について「IT部門が管理・把握していない利用部門独自のIT関連予算が存在する」と答えた企業の割合は全体の2割以上に増加しています。IT部門が知り得ないシステムが現場では確実に増えているようです。