システム障害によってもたらされる国内の年間被害額。EMCジャパンが2015年1月に実施した調査結果を基に算出しました。この調査は、北米や欧州など世界24カ国の企業などに対して行ったデータ保護についての「EMC Global Data Protection Index 」。IT部門に在籍する意思決定者、3300人から回答を得ました。

 国内では125人が回答。このうち48%が過去1年間に、システム障害などを経験していることが分かりました。その割合が最も多かったのは、従業員が250~499人の企業で、60%を占めました。

 さらに過去1年間で、システム障害により業務に支障を来したことで、1社当たり平均8400万円の損失を被っていたことが判明。この結果を基にEMCジャパンが国内全体で試算すると、年間5兆円近い損失になることが見えてきました。

 調査ではシステム障害に見舞われた企業担当者60人に対し、その原因も複数回答で尋ねています。最も多かったのがハードウエアの障害で40%でした。次いでデータの破損(35%)、電力供給の問題(27%)と続きます。システム障害が発生した影響を質問したところ、最も多かったのは従業員の生産性低下で37%でした。続いて製品開発の遅延発生(30%)、顧客からの信用や信頼の低下(20%)、収益の損失(18%)となっています。

 システムダウンやデータの損失は企業に大きな影響を及ぼすだけでなく、国内経済にも悪影響を与えます。個々の企業には、一層の対策が求められそうです。