「オープンデータ2.0」とは、政府が2012年に「電子行政オープンデータ戦略」を打ち出して以来、政府や自治体が推進してきたオープンデータ施策について、より具体的な社会課題の解決や利活用を促進することに重点を移した新しい取り組みの総称です。

 政府は2015年度までに、基本となる理念およびルールの整備、「出せるデータから出す」といった方針の提示、データカタログ・サイト「DATA.GO.JP」の構築などのオープンデータ関連施策を講じてきました。

 こうした一連の「オープンデータ1.0」の次の段階として、2016年5月20日に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)が決定した「【オープンデータ2.0】官民一体となったデータ流通の促進」では、「2020年までを集中取り組み期間と定め、政策課題を踏まえた強化分野を設定し、オープンデータの更なる深化を図る」ことを「オープンデータ 2.0」と位置付けました(図1)。

図1●オープンデータ2.0の位置づけとこれまでの政府の施策の流れ
図1●オープンデータ2.0の位置づけとこれまでの政府の施策の流れ
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 さらに、2016年12月14日に公布・施行された「官民データ活用推進基本法」や、同法に基づいて2017年5月30日に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」では、オープンデータを含む官民データの活用推進に際して必要となる規格や基盤を整備するとともに、8つの重点分野(1:電子行政、2:健康・医療・介護、3:観光、4:金融、5:農林水産、6:ものづくり、7:インフラ・防災・減災等、8:移動)でオープンデータ推進に関する重点施策を講じるとしています。