写真●インキュベクスの有益伸一経営企画部マネージャー
写真●インキュベクスの有益伸一経営企画部マネージャー
[画像のクリックで拡大表示]

 土木・建設関連技術者の人材派遣を手掛けるチームINQ(横浜市)がマーケティングオートメーション(MA)ソフトを導入し、成果を上げている。転職を望む技術者のニーズに合わせて、メルマガの内容やタイミングをこまめに変更。転職意欲が高い技術者の数が、2015年1月に前年同月比で約1.5倍になった。

 チームINQは東日本大震災で被災した東北地方や首都圏を中心に、土木・建設関連技術者を派遣する事業を展開している。同社は技術者を募集するマーケティング基盤として、2014年10月に米マルケトのMAソフトを導入した。

 現在、マーケティング活動を手掛けるのは、チームINQの関連会社であるインキュベクス(横浜市)の有益伸一経営企画部マネージャーただ1人(写真)。こうした状況で、転職を希望する技術者に対して、最適な情報を最良のタイミングで提供するには、マーケティングのPDCA(計画・実行・検証・見直し)サイクルを自動化するMAソフトが不可欠だった。

60点以上で専任のオペレーター

 チームINQがマーケティング活動を展開するうえで力を入れているのが、転職意欲のスコアリング(数値化)だ。技術者の行動をMAソフトで収集・分析することで、「どのくらい転職したいのか」を数値化し、情報を提供するタイミングを見極めている。

 具体的には、転職意欲を100点満点で評価している。技術者がメルマガのURLをクリックし、コンテンツをダウンロードすると5点加算するといった具合に、あらかじめ設定した基準に沿って点数がリアルタイムに変わる。60点を超えれば、その技術者に専任のオペレーターを配置し、電話やメールで密にやり取りできる体制を構築する。

 既にMAソフトの導入は大きな成果を生んでいる。電話で話せたり、メールの返事が来たりというように頻繁にコミュニケーションが取れる技術者の数が2014年1月は200人前後だったが、今では月間300人程度にまで増えている。

 有益マネージャーは「MAソフトを導入したことで、なぜメルマガを読んでくれないのかがはっきりしたことで、効果的な施策を打ちやすくなった」と語る。チームINQは今後もMAソフト活用の肝であるスコアリングの精度向上に注力する考えだ。