クラウドとインメモリー技術「HANA」を事業戦略の核に、勢いに乗る欧州SAP。その日本法人のトップに39歳の若さで就いた福田譲SAPジャパン社長は、日本企業のグローバル化への要望に応える五つの具体策を明かした。クラウドやHANA以上に強調したのは、グローバルに向けた人材強化だ。
社長就任の前後で、会社に対する見方は何か変わりましたか。
SAPジャパンに入社して既に17~18年になりますので、何かものすごく新しい発見があった、ということはありません。ただ、会社が抱える課題も、お客様に期待していただいていることも、ある程度分かった状態でスタートできたことはラッキーでした。
SAPをよく知る人間が社長になったということで、社内外から期待されていると実感しています。もちろん、プレッシャーもあります。就任早々にお客様やパートナーなど300人ほどの方と面会したのですが、当社の影響力と責任の大きさを改めて認識しました。
SAPジャパンは創立22年目で、成人はしているけれど、まだ未成熟な部分が残っているわけです。今後は30代、40代と壮年期に向けてしっかり“人格”をつくり、頼られ、信頼される会社にならなければなりません。
ただ若い会社ですから決して縮こまることなく、様々なことにチャレンジしていきます。階段を着実に一歩ずつ上り、社会に貢献できる会社になっていく。これが今のSAPジャパンに期待されていることだと感じています。