日本で開催されたG7(主要7カ国)香川・高松情報通信大臣会合で、事務方による協議など開催準備を指揮したのが山田局長だ。IoT(Internet of Things)で国際協調を進めるといった合意事項をどう成果に結び付けるのか。日本のICT開発戦略とともに今後の取り組みを聞いた。
2016年4月末の情報通信大臣会合では、議長国として合意文書の取りまとめまでを指揮した。結果をどう評価しているか。
最新のAI(人工知能)から発展途上国でのネット環境の整備まで、幅広い分野で合意が形成できた。事務レベルの事前協議では国ごとに意見の相違もあった。しかし最終的に、目指していた内容を一通り盛り込めたと思う。
何より、サイバーセキュリティも含めて、ICT分野が金融やエネルギーなどと同じようにG7での重要テーマとなり、21年ぶりに合意を形成できた意義が大きい。
代表的な合意事項を挙げると、IoT(Internet of Things)の官民イニシアティブを持つ各国が国際連携を進める、国をまたぐ情報流通を阻害する「データローカライゼーション」に対し明確に反対する、2020年までに世界で新たに15億人をインターネットに接続可能にする─などだ。
AIについては社会的影響などを踏まえて「開発原則を議論する」という日本の提案に各国から賛同が集まり、合意に盛り込めた。OECD(経済協力開発機構)などで調査研究を実施し、日本が提起した「開発の8原則」を下敷きにして議論を深めていきたい。