WiMAX 2+を最大220Mビット/秒に高速化するとともに、月額4380円でデータ通信量が「ノーリミット」のプランを新たに打ち出したUQコミュニケーションズ。格安スマホのブームで競争環境が急速に変わりつつある中、この先の戦略をどのように考えているのか。野坂社長に聞いた。

新プランについて聞きたい。2013年9月にWiMAX 2+サービスを発表した際、2年間は「月額3880円で使い放題プラン」を提供。3年目以降は「月額4405円、7Gバイトの制限を加えるか検討する」としていた。
SNSなどでユーザーの声を分析すると、「UQはノーリミット」というイメージが予想以上に定着していた。なんとか「ノーリミット」のDNAを継続できる方法はないのか。技術や企画も含めて社内でずっと検討してきた。
キャリアアグリゲーション(CA)や4×4 MIMOを導入することで、WiMAX 2+のシステム全体の容量を向上できる。ビット単価の低減につながり、月額4380円であれば、「ノーリミット」で提供できる道が見えてきた。最後は営業的な感覚で、今回の「月額4380円、データ通信量月間上限無し」というプランを打ち出したという経緯がある。
7Gバイト制限は携帯電話事業者が作ったスタンダードだ。BWA事業者であるUQがそれにならうのは、“スピリット”に反するという思いが強かった。
今回の新プランで、エリアやデバイス、料金など、ユーザー満足度の軸をすべて作り直す形になる。
2014年度は携帯電話事業者が新たな料金プランを打ち出したり、格安SIMがブームになったりするなど、モバイルの競争環境が大きく変わった。
携帯電話事業者は「1Gバイト1000円」単位で、データを使えば使うほど料金が高くなるプランへと切り替えた。格安SIMのプランは、速度が速い場合はデータの利用量が少ない、データの利用量が多いと速度が遅いというジレンマがある。
我々は同じ土俵に乗ってはいけないと考えた。あえて携帯電話事業者や格安SIMとは逆張りで、「ノーリミット」の王道プランを打ち出した。