モバイルのMVNO(仮想移動体通信事業者)、クラウドの海外展開と、事業拡大を積極的に進めるIIJ(インターネットイニシアティブ)。ただどちらの領域も競争の激化は必須。新たなサービス展開やビジネスモデルの創出などについて勝社長兼COOに聞いた。

最近のIIJは格安SIMを提供するMVNOとして存在感を高めている。回線数などの状況はどうか。
MVNOはかなり以前から手掛けてきたが、昨年は大きくブレークした。2014年末の回線数は約50万。この勢いを止めず、2015年は年内100万回線を目指したい。
もちろん競争が厳しくなるのは承知のうえ。むしろ歓迎すべきこと。それだけ世間の認知度が高まるからだ。SIMという言葉も1年前はあまり知られていなかった。競争によって市場は拡大するから、当社だけでなくすべてのプレーヤーにとってプラスとなる。
今年のモバイル商戦は、NTT東西が提供する卸サービスを使った固定と携帯のセット割が鍵を握りそうだ。その計画はあるのか。
もちろんある(編集部注:インタビュー後の2月5日に「IIJmioひかり」として光コラボレーションによるブロードバンドサービスを正式発表)。今年はセット割が一つの商機になると考えている。固定と携帯の相互パッケージ、つまりは値段と内容の勝負になる。
ただしセット割では対象が個人から家族に広がる。どう売り込んでいくのかについては悩んでいる。販路や宣伝広告の方法、投じる資金が個人や法人向けとは次元が違う。誰にどうアピールするのか。その時のキーワードは何か。アプリは必要になるのか。いずれも思案中だ。