米Googleの社内ベンチャーNiantic Labs(ナイアンテックラボ)を率いるジョン・ハンケ(John Hanke)副社長へのインタビュー後編をお届けする。同社は位置情報を使った無料スマートフォン(スマホ)ゲーム「Ingress(イングレス)」を2013年11月から提供している。2014年12月13日に都内で開かれた公式イベント「Darsana Tokyo(ダルサナ)」に合わせて来日した(関連記事:Ingressが公式イベント「Darsana」を東京で開催、過去最大約5000人の“エージェント”が集結)。
 後編ではローソンや仏AXAグループとの提携といった事業面やIngressの今後について聞いた。(聞き手は山田 剛良=日経NETWORK

Ingressというゲームの今後について教えてください。ゲームの改良はどのようなペースで進めていく考えですか?

米Googleの社内ベンチャーNiantic Labsを率いるジョン・ハンケ副社長
米Googleの社内ベンチャーNiantic Labsを率いるジョン・ハンケ副社長
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 今後も新しい機能を随時、追加していく。実際、毎週1台、新しい機能を担うゲームサーバーをリリースしている。クライアント用のアプリも2週間に1回のペースでアップデートを続ける。12月15日にはゲーム内の表彰制度である「メダル」を3種類追加した(写真1)。

 東京のようにユーザー数やポータル数が多い都市で遊ぶプレイヤーにとっては、当初設定したメダルのいくつかは取得が難しくなっている。新しいメダルはそういうプレイヤーに喜んでもらえると思う。パソコンでゲームの状況を確認する専用サイト「Ingress Intel Map」にも同時に改良を加えた。

写真1●12月15日の改良で追加された3つのメダル
写真1●12月15日の改良で追加された3つのメダル
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 一方で、今進めているゲームのバックストーリーは近々、区切りを付けるつもりだ。「エピソード1終了」という感じになるはず。もちろん、その後もエピソード「2」「3」が続くし、ゲームも続いていくんだけどね。

「ゲーム内課金」のようなしくみを入れたくなかった

事業面について教えてください。11月に国内でローソンとの提携を発表しました(ローソンのIngress告知ページへのリンク)。全国1万780のローソン全店舗がある日突然、ポータル(ゲーム内でプレイヤーが取り合う仮想の拠点)になって驚きました。

 実はアメリカではIngressの立ち上げ当初から店舗チェーンとパートナー提携をしている。スムージーのチェーンである「Jamba Juice」やドラッグストアの「Duane Reade」と提携して、店舗をゲーム内の「ポータル」としている。