ノベルが2014年12月16日に開催したイベントに合わせて、独SUSE 副社長のMichael Miller氏とアジアパシフィック技術チーフのPerter Lees氏が来日。最近のオープンソースの動きについて聞いた。

(聞き手は手嶋 透=日経Linux


SUSEの包括的な提携先である米Microsoft社は最近、「ASP.NET Core 5」のオープンソース化/クロスプラットフォーム化を発表するなどWindowsとLinux間の溝を埋めることにやっきになっている。SUSEには、これまで以上に大きな役割を果たすことがWindows陣営からも、Linux/OSS陣営からも期待されているのではないか。

写真●SUSE グローバルアライアンスおよびマーケティング担当副社長のMichael Miller氏
写真●SUSE グローバルアライアンスおよびマーケティング担当副社長のMichael Miller氏
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Miller氏:.NETアプリケーションがLinuxで動くというのは、とてもよいニュースだ。Novell/SUSEはMicrosoftとは良好な関係を築いていて、とりわけAzureチームとは会社という組織の壁を乗り越えて緊密な状態にある。例えば、AzureのVM上で正式動作する商用Linuxは現状、SUSE Linux Enterprise Server(SLES)しかないことからも、関係の深さを理解してもらえることと思う。

 AzureチームはエンタープライズLinuxの価値や重要性を深く理解しており、実際にAzure上ではもの凄い勢いでLinuxをはじめとするOSSの活用が進んでいる。そうしたベースがあるから、.NETのOSS化に際して、OSSの開発ノウハウから開発コミュニティーのガバナンスをコントローして成功に導く方法まで、さまざまな知見の提供をMicrosoftから求められている。その求めに応じて適切なアドバイスしていくというのが、質問に対する全般的な答えだ。

 より具体的な話をしよう。.NETのOSS化において屋台骨となっているMonoプロジェクトにおける実質的な開発母体は、3年前までNovell(2003年にSUSEを買収)の一つの事業部だった。その中心人物であり、Monoプロジェクトの創始者であるMiguel de Icaza氏とは今なお関係が深く、彼が共同設立者となって2011年にベンチャー企業の米Xamarin社を興したときにはそれを手助けした。XamarinはMono関連の開発者を支援したり、モバイルプラトッフォームに.NETのランタイムを移植したりしている。

 SUSEは.NETのOSS化の取り組みに直接参加しているわけではないが、先に説明したようにMicrosoftから求められたことに対応し、また我々のパートナーであるXamarinをサポートすることで、.NETアプリケーションのLinux移行を積極的に支援するつもりだ。