ここ数年、ネットワークの重要キーワードとなっている「SDN(Software Defined Networking)」。ICT技術が進化を続ける中、その基盤であるネットワーク部分を柔軟かつ動的にそして俊敏に扱う技術として期待が高まっている。大規模データセンター内での活用が進み、これから法人市場の展開が始まるとされる(関連記事)SDNでビジネスを開拓するNECのソリューションプラットフォーム統括本部の北風二郎本部長代理(写真)に、2015年のSDNの展開について聞いた。

(聞き手は松本 敏明=日経コンピュータ


写真●NECのソリューションプラットフォーム統括本部の北風二郎本部長代理
写真●NECのソリューションプラットフォーム統括本部の北風二郎本部長代理
[画像のクリックで拡大表示]

SDNの展開について、NECの2015年以降の考え方を教えてほしい。

 NECではデータセンターだけでなく、企業内LANやWANのアクセスの対応など、適用領域を広げてきた。2015年には、WANの領域でもSDNソリューションを実際に提供できるようになる開発計画がある。製品のラインアップが整うことで、企業ユーザーに本格的に適用できるようになる。

 これまでは先進的な取り組みをしていたアーリーアダプタが仮想ネットワークを作るために使うことが多く、ネットワークを公開するとか新設するなどの事例が中心だった。2014年からはネットワーク全体の構築に新規に着手しなくても、末端で利用していく例が出ている。

 今後は“SDNレディ”の製品を導入するなどして、エッジからSDNを取り入れる手法が成立するようになってきた。SDN導入のハードルが下がり、最初から設計していなくても現在使っているスイッチを流用してSDNのメリットを試せるようになる。

 NECが今後新規に投入するプロダクトは全てSDNレディにする(関連記事)。過去に販売したハードウエアスイッチもソフトウエアが乗るものについては、ある段階でSDNに対応できるようにすることを検討している。