米インテルが成長分野の一つと位置付けるのが「IoT(Internet of Things)」だ。同社でIoTグループを率いるダグ・デイビス氏に、IoT関連事業の現状と勝算を聞いた。

(聞き手は竹居 智久、西村 岳史=日経コンピュータ)

インテルは2014年から「Internet of Thingsグループ」の業績を公開し始めた。ここに来てインテルが「IoT」という言葉を前面に出すようになった理由を聞かせてほしい。

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 これまでの10年間で、センサーのコストは1/2に、ネットワークの帯域幅当たりのコストは1/40に、計算のコストは1/60になった。IoTを実現するためのコストが劇的に下がっている。

 そうした中で我々がIoTという言葉を打ち出したのは、インターネットにつながる将来の機器に向けた適切なソリューションを提供できる体制が整ったからだ。我々はいわゆる組み込み機器に向けたマイクロプロセッサーの事業で長い歴史を持つ。そのプロセッサー事業の経験と、米ウインドリバーや米マカフィーのソフトウエア資産を組み合わせることで、インテルならではのIoTソリューションを提供できる。

 そして「インテルの他部門との連携によって実現する」という姿勢を明確にする狙いもあった。IoTでは機器から収集したデータを分析するためのITインフラも重要になり、サーバーの需要を喚起することになる。これまでのようにモノ単体をサポートするのではなく、「Data Center Group」などの他部門と緊密に連携しながら、伝統的な組み込み機器をインターネット接続前提の新しいものに生まれ変わらせる手伝いをしていこうと考えた。