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 CoderDojoは7~17歳の子どもを対象にしたプログラミング道場。2011年にアイルランドで始まり、世界中に広まっている。世界で約1000の道場、日本では全国に50以上の道場がある。日本のCoderDojoを取りまとめる「CoderDojo Japan」の安川要平氏(写真右)と、2016年11月に「CoderDojoすぎなみ」を始める角征典氏(写真左)に話を聞いた。安川氏は「Ruby on Railsチュートリアル」の翻訳システムの開発、角氏は「エクストリームプログラミング」をはじめとする数々の書籍の翻訳などでも知られる。

(聞き手は大森 敏行=日経NETWORK


日本ではCoderDojoはどのように始まったのですか。

安川:2012年5月、CoderDojoの設立者の一人であるJames Whelton氏が来日したのを機に、日本でのCoderDojo第1回目が開催されました。場所は東洋美術学校という専門学校が貸してくれました。その後、東京・下北沢にあるOpenSource Cafeで細々と続けていましたが、「おもしろいことやってるな」と見学に来る人が増えて、関西や東北など日本中に広がっていきました。

CoderDojoの特徴は何でしょうか。

安川:参加者がプログラミングを一方的に教わる場ではなく、コミュニティ、勉強会のようなものだということです。決まったカリキュラムはありません。参加費無料で非営利です。参加者が自発的に取り組まなければ、得るものはありません。

角:CoderDojoでは「教室ではない」ということがとても強調されますね。ただ、IT業界では大人の無料の勉強会が多いので、IT系のコミュニティに慣れている人にとっては違和感はないかもしれません。CoderDojoを運営するのもそうしたコミュニティの人が多いですね。

安川:おもしろいのは、CoderDojoは「メンターの大人同士が知り合う場所」にもなっていることです。CoderDojoで知り合ったことをきっかけに大企業からスタートアップ企業に転職した人もいます。

道場はどのくらいのペースで増えているのですか。

安川:2016年3月には25道場でした。これが9月末には57道場まで増えました。半年で2倍以上になったことになります。きっかけとしては、2016年8月末に大阪で「DojoCon Japan 2016」という大規模なイベントが開催されたのが大きいと思います。