人工知能(AI)やビッグデータ分析などで大きな注目を集めるディープラーニング(深層学習)。「Caffe」や「Torch」、「Chainer」など、同分野の研究者らが開発したオープンソースソフト(OSS)のフレームワークが既に利用可能となっているが(日経エレクトロニクス関連記事)、ここに一石を投じるのが米Skymind社だ。

 既存のフレームワークの多くがPythonベースであるのに対し、Skymind社が手掛けるディープラーニングフレームワーク「DL4J(Deeplearning4j)」は、Java仮想マシン(JVM)上で動作するのが特徴だ。エンタープライズ向けのアプリケーションサーバーで動作させることができ、企業が持つ既存の情報システムと組み合わせて運用しやすい。

Skymind社創業者のAdam Gibson氏
Skymind社創業者のAdam Gibson氏
(写真:日本経済新聞社)
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 Skymind社創業者のAdam Gibson氏は「研究開発用途ではなく、エンタープライズで使える商用レベルのディープラーニングフレームワークを提供するのは我々だけだ」と豪語する。

 今回、日経Roboticsは、Skymind社のGibson氏に独占インタビューする機会を得た。下記で紹介する。(聞き手=進藤 智則)

――Skymind社のビジネスモデルは?

Gibson氏 我々はAI分野における「米Red Hat社」や「米Cloudera社」のような存在を目指している。ディープラーニングフレームワークにはCaffeやTorch、Theano、Chainerなどがあるが、いずれも研究開発用途が主体だ。企業がシステムでディープラーニングを用いたい場合でも、これらのフレームワークには商用サポートがない。