米A10ネットワークスは2004年設立のネットワークベンダーで、サーバーの負荷分散を行うADC(Application Delivery Controller)製品や、DDoS対策製品などを提供している。日本法人は2009年に設立し、中国、韓国を除くアジア地域を統括する拠点として位置付けられている。A10ネットワークスの日本における戦略や同社の強みについて、日本法人代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の小枝逸人氏に話を聞いた。
A10ネットワークスが注力する事業は。
我々が現在取り組んでいる事業は、大きく三つある。一つめはADCソリューション、二つめはCGNATソリューション、三つめはDDoS対策ソリューションだ。
ADCソリューションでは、サーバーの負荷を分散するためのADC製品を販売している。日本ではADCのことをロードバランサー(負荷分散装置)と呼ぶことが多いが、我々が販売するADC製品「Thunder ADC」は、ロードバランサーをより進化させたものだと思ってほしい。三つの事業の中では、ADCソリューションの売り上げが最も大きい。
CGNATソリューションでは、IPv4からIPv6に移行するための製品を提供している。我々が提供する「Thunder CGN」は、IPv4からIPv6へ移行する際に、IPv4ネットワークの接続性を拡張しながら、IPv6への移行を進めることができる。
DDoS対策ソリューションでは、「Thunder TPS」という製品を販売している。この製品は、大規模な攻撃を防御できるDDoS防御専用のアプライアンス製品だ。昨今サイバー攻撃による被害が増えているという事情もあり、多くの企業から引き合いがある。