飲食店向けのオンライン予約サービス「OpenTable」を1998年から提供している米オープンテーブル。2014年10月時点で全世界3万2000以上の店舗が同社のサービスに加盟しており、月当たりの利用者数は1200万人以上になるという。日本における事業全体を統括する同社コーポレート&ビジネス・デベロップメント バイス・プレジデントのキャサリン・ポーター氏(写真)にOpenTableの強みを聞いた。

(聞き手は岡田 薫=日経コンピュータ


日本では飲食店関連の情報サイトとして、カカクコムの「食べログ」や「ぐるなび」などがよく知られています。それらとの違いは何でしょうか。

写真●米オープンテーブル コーポレート&ビジネス・デベロップメント バイス・プレジデントのキャサリン・ポーター氏
写真●米オープンテーブル コーポレート&ビジネス・デベロップメント バイス・プレジデントのキャサリン・ポーター氏
[画像のクリックで拡大表示]

 飲食店関連の情報サイトではいくつかのビジネスモデルが存在します。食べログなど、飲食店の情報を検索できるサービスでは、広告収入によるビジネスモデルが成り立っていると考えています。ここに一つ、大きな違いがあります。

 例えば広告収入によって運営されているサイトでは、ある条件を指定して検索すると、無数に飲食店が表示されます。その中から、気に入ったレストランのページを発見し閲覧したとしても、他店舗の広告が表示されることが多いのではないでしょうか。しかし我々は、サイトの利用者にとっては、それらの広告は不要な情報であり「ノイズ」だと考えます。

 OpenTableでは、利用者に良質な顧客体験を提供することを目指しています。そのため、不要な情報を表示しないことに努めています。広告を極力、排除するのです。利用者が求めている条件に最も合致するレストランを紹介するためには、余計な広告は必要ありません。ここが大きな違いです。

 またOpenTableでは、サイトに掲載している口コミ評価の質が非常に高いと自負しています。予約してから実際に来店した利用者しか口コミを投稿できないからです。良質な顧客体験を提供するためには重要な機能の一つだと考えています。

予約サイトとしてのOpenTableの強みについて教えてください。

 OpenTableは単に「オンライン予約ができる」サービスではありません。OpenTableを利用している加盟店には、CRM(顧客情報管理)の要素を含んだシステムを提供しています。来店する利用者に提供するサービスの質を向上させることが目的です。