プリセールス活動に参加するエンジニアにフォーカスした能力開発トレーニングをグローバルに展開する米マスタリング・テクニカル・セールス。同社のマネージング・ディレクターでありトレーニングの開発者でもあるジョン・ケア氏は、この15年間でSEの役割が大きく変化した結果、エンジニアには営業担当者とは異なるセールス・トレーニングを提供すべきだと言う。

(聞き手は高木 圭一=ITインストラクター)

マスタリング・テクニカル・セールスでは、どのようなトレーニングを提供しているのでしょうか。

米マスタリング・テクニカル・セールス マネージング・ディレクター ジョン・ケア氏
米マスタリング・テクニカル・セールス マネージング・ディレクター ジョン・ケア氏
[画像のクリックで拡大表示]

 一般的に、複雑なテクノロジーを販売する商談においては、顧客とリレーションシップを持つアカウントマネージャがビジネス機会を発見すると、自社の製品やサービスが顧客の環境にフィットすることを証明するために、エンジニアがプレゼンテーションやデモンストレーションを行っていると思います。

 そのような役割を担っているエンジニアのことをセールスエンジニアと呼んでおり、私達はセールスエンジニアのために最適化された、顧客の課題発見、効果的なデモンストレーションやプレゼンテーションの実施、Webキャストの活用、ホワイトボードの活用、質問への対応、エグゼクティブとのコネクションといった能力開発カリキュラムを提供しています。

 販売強化を目的としたサービスを提供する企業は数え切れないほど存在しますが、セールスエンジアにフォーカスしたトレーニングを体系化してグローバルに提供する企業という点において非常にユニークだと思います。

なぜセールスエンジニアに特化したトレーニングコースが必要なのでしょうか。

 話は1999年まで遡ります。当時の私はIT企業でSE部門をリードする立場でしたが、スタッフが受講するのに適したプロフェッショナルスキルのトレーニングが存在しないことにフラストレーションを感じていました。私達が受講していたのは営業職向けのトレーニングばかりだったのです。自分のスタッフにとって役に立たないコンテンツが多く含まれていましたし、やり方を工夫すれば、もっと効率よく習得できると思えました。

 それで、セールスエンジニアに最適化されたトレーニングコースを自分で開発することにしたのです。それから現在までの15年間で技術の進歩に伴ってSEの役割も大きく変化し、私達が提供するカリキュラムも大幅な拡充を必要としました。現在では、エンジニアには営業担当者とは異なるセールストレーニングを提供すべきであると確信を持って言うことができます。その背景には3つの大きな変化があります。順を追って説明しましょう。