NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は2017年7月、異なる企業のデバイスやサービスを繋ぐIoT(インターネット・オブ・シングズ)基盤「plusbenlly」を発表した。事業の狙いや背景について、NECPCとレノボ・ジャパンの社長を兼任し、一体経営を進める留目真伸社長に聞いた。
PCメーカーがなぜIoTを手掛けるのか。
IoTはPCと同じく、個人によるコンピューティング環境の発展を加速するものだからだ。
レノボのPC事業はその源流に米IBMやNECといったPCの黎明期を支えた企業を持つ。PCは「パーソナル(個人的)」にコンピューティングするもの。およそ35年前に誕生したPCは大きなイノベーションだった。メインフレームにあったコンピューティングパワーを個人が使えるようになったからだ。
PC事業の成長はあまりにも順調だった。その結果、米マイクロソフトや米インテルの事業ロードマップに合わせて新しいPCを作ることがメーカーの仕事のようになってしまった。
一方で、パーソナルコンピューティングはWindows機など一般的なPCの枠を超えて普及しつつある。スマートフォンやタブレットはその一例だ。クラウドが提供するコンピューティングパワーも、スマートスピーカーが提供する機能も、まさにパーソナルコンピューティングだ。
そう考えると、レノボがパーソナルコンピューティングを提供する製品ラインナップは充実している。買収した米モトローラ・モビリティのスマートフォン事業やIBMから引き継いだサーバー事業もある。レノボは元々パーソナルコンピューティングを普及させる会社であったし、今もそのミッションは変わらない。そのためのIoTだ。