ニフティでブログサービス「ココログ」を立ち上げ、はてなで取締役CTOを務め、グリーで統括部長としてソーシャルゲームを担当――。伊藤直也氏はネット業界では「naoya」として広く知られたエンジニアだ。その技術解説や講演は根強い人気を誇っている。現在はフリーランスで、ネット企業の技術顧問などを手掛ける。ネット業界のなかでも、最先端で活躍している伊藤氏に、自身のキャリアや信条などについて聞いた。

(聞き手は矢口 竜太郎=日経コンピュータ


写真●KAIZEN platform 技術顧問の伊藤直也氏
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写真●KAIZEN platform 技術顧問の伊藤直也氏

ニフティ、はてな、グリーとネット企業を渡り歩き、現在はフリーでネット企業の技術コンサルティングを担当していらっしゃいます。

 最初から今のような技術コンサルティングの仕事をしようとは思っていませんでした。そのときに合わせて仕事の仕方を決めていたら、気付いたらこうなっていたという感じです。

 グリーまでは普通に企業に所属していました。グリーをやめてから1年くらい何もしていなかったのですが、KAIZEN platformの石橋(利真Co-Founder&CTO)が学生時代の先輩で、手伝ってほしいと言われたので技術顧問という形でジョインしました。

 現在は、KAIZEN platformのほか、もう2社ほど企業の技術顧問のような立場で入っています。それも特に営業活動したわけではなく、自然とそうなりました。

そのときどきで、どのように考えて仕事を選んでいたのでしょう。

 インターネット関連の仕事に就きたいと思ったきっかけは、大学3年生くらいのときに、趣味でWebサイトを作ったことです。当時好きだった、ある海外ゲームの情報を掲載しました。そのゲームに関する情報があまりなかったので、自分で海外のWebサイトを翻訳して。すると、そのゲーム好きの間で話題になって、読者から反応があったのです。

 そのとき、「自分が作ったものをネットで発信してユーザーに届けることって、むちゃくちゃ楽しいな」と思いました。インターネット関連の仕事に就こうと思って、ニフティに就職しました。ちなみに、今でもときどきカンファレンスなどで講演すると、「あのときのWebサイト見てました」って言われることがあるんですよ。

自分で手掛けたプロダクトをユーザーに届けたいという思いが原点にあるわけですね。ご自身のキャリアの中で、最も印象に残っているプロダクトは何ですか。