日本テレビ放送網とバスキュールは、スマートテレビやスマートデバイスをメインフィールドにした事業を推進する合弁会社「株式会社HAROiD」を設立した。合弁会社の代表取締役社長で、これまでJoinTVなど日本テレビでソーシャルメディア展開を推進してきた安藤聖泰氏と、バスキュール代表取締役の朴正義氏に新しいテレビへの思いを聞いた。

(聞き手は本誌編集長、田中正晴)

HAROiDという会社名に込めた思いは。

安藤聖泰氏(左、HAROiD代表取締役社長)と、朴正義氏(右、バスキュール代表取締役)。
安藤聖泰氏(左、HAROiD代表取締役社長)と、朴正義氏(右、バスキュール代表取締役)。
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安藤 マスとパーソナルを考える中で、100万とか1000万という人々に対して、個別に認識して、固有のフィードバックがかかるようなインタラクティブ体験を実現したいとの思いが日本テレビとバスキュールの双方にあった。その関連キーワードが「identity」「individual」「interactive」であり、もっといえば「internet」も含まれる。名称の後半にはそういうものをこめた。前半部には、僕らが世界で初めてのものを生み出し、世界に向けて提供していくという思いをこめた。プログラム言語を習得時に最初に作るのが、「Hello world」の表示だったりすることもひっかけた。スマートテレビを含むすべてのスマートデバイスを横断して、あらゆる世代がつながっていくような環境を世界に先駆けて作っていきたい。

JoinTVとは切り離すのか。

安藤 まったく違うことを行うわけではない。JoinTVで目指していてやりきれなかったことを、バスキュールと組むことで、僕から見れば実現への道筋が見えてきた。

 次世代に合わせた新しいものを、仕組みもシステムも作っていく。JoinTVを発表したのが2012年3月だが、当時はアナログテレビが終了し、国内のテレビがすべてBMLブラウザを搭載するという事件が起きたわけで、我々はBMLデータ放送をベースにプロジェクトを立ち上げた。その後、JoinTVはスマホ対応やハイブリッドキャスト対応と拡張させてきた。

 いま、デバイスやテレビの状況がガラリと変わろうとしている。テレビ局自身も見逃し視聴を含めネット対応を真剣に考え始めている。いまの状況に合わせた新しい仕組みを作っていく。