NTTドコモとエイベックス通信放送は、エイベックス通信放送が運営し、NTTドコモがdマーケットで提供する定額制映像配信サービスをリニューアルした。2015年4月22日にユーザーインタフェース(UI)を刷新し、サービスブランドをこれまでの「dビデオpowered by BeeTV」から「dTV」に変更した。UIの変更点として、「レコメンド」「チャンネルバーの追加」「予告編の自動再生」などを組み合わせて実現するザッピングUIを提供するこのタイミングに合わせて、NTTドコモは、自宅のテレビで簡単に「dTV」を視聴できる専用アダプター「dTVターミナル」を投入した。4月2日の発表会では、「映像の新しいミカタ」というコンセプトを強く打ち出したものとなった。いまのタイミングで、こうしたコンセプトを打ち出しながらリニューアルに踏み切った理由などを、エイベックス通信放送取締役の村本理恵子氏に聞いた。
dTV(dビデオ)は、これまでに460万を超える会員を集めるなど、国内最大規模のVODサービスであると思うが、自らはどう位置づけているのか。
村本 我々は、まだまだだと認識している。市場はもっと大きくなると考えており、その中でトップランナーとして走り続けていく立場にいると自分たちを位置づけている。このため、市場は自分たちで切り開いていかないといけないと思っている。今回のリニューアルも、まさに新しい市場のトビラを開けるためのものだ。
今回、リニューアルを行った理由は。
村本 当社は、実はしっかりとユーザー調査を実施したうえで、技術の変化なども見ながらロジカルに戦略を作り、実行していく会社だ。2009年にBeeTVが開局した時には、「オリジナル」をコアにサービスをスタートした。2011年のdビデオの時は、スマホの時代になり、数分の動画ではなく、映画なども見られる環境になってきたので、ライセンス・コンテンツをたくさん提供する今の形に変えた。
今回のリニューアルは、これまでの知見から、動画のミカタを提案したり、使うに当たっての不便さを解消しないと、市場をさらに大きくすることはできないという認識のともに実施した(図1)。
今のままだと、500万前後の会員数が限界だ。現在、私達が提供している動画のミカタやコンテンツでは1000万という数字は難しい。そう1年半前から考えて準備してきた。大量のリサーチを積み重ねる中で、dTVの原型のようなものが固まってきたのが1年ほど前。そこから技術開発などを進め、今回の発表となった。