個人向けにも提供しているソフト「True Image」や企業向けの「Backup」をはじめ、イメージバックアップを中心とした様々なデータ保護製品やサービスを提供する米アクロニス。昨今は、クラウドベースのバックアップサービスを企業/団体へ提供したいサービスプロバイダー向けの、バックアップ機能や対象デバイス管理ツール、顧客管理機能をまとめたプラットフォーム「Acronis Backup as a Service(BaaS)」にも注力している。来日した同社CEO(最高経営責任者)のセルゲイ・ベロウソフ氏に市場動向と次期サービスについて聞いた。

(聞き手は井原 敏宏、西村 岳史=日経コンピュータ


米アクロニスCEO(最高経営責任者) セルゲイ・ベロウソフ氏
米アクロニスCEO(最高経営責任者) セルゲイ・ベロウソフ氏
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世界全体を見渡したときに特に好調な地域は

 全体として好調だ。データがあるところには、我々のビジネスがある。ヨーロッパ、アメリカ、アジア、どこでもIT市場の伸びと合わせて自社のビジネスも伸びている。もちろん日本も重要な市場だ。

クラウドベースのバックアップサービスを手掛けている。反応はどうか。

 急激に伸びている。我々が提供しているのは単なるバックアップソフトやクラウドストレージだけではない。プロバイダーなどが顧客向けのバックアップサービスを構築するためのプラットフォームを手掛けている。クラウドベースのデータバックアップ、バックアップ対象機器群の管理、ライセンスの管理や請求などもできる。

 これらが受け入れられているのは、拡張性の高いアーキテクチャーを採用しているからだ。何千万ものユーザーやデバイス、ペタバイトクラスの容量にも対応できるようになっている。暗号化などセキュリティについても万全だ。

 セキュリティでは、データが顧客のコントロール下にあることが重要だと考えている。例えば特定のベンダーのデータセンターにデータを預けるとなると、そのデータに対する「保護」はそのベンダーが制御することになる。

 我々のプラットフォームは、顧客であるプロバイダーに対して様々な選択肢を提供している。我々のデータセンターを使ってもよいし、顧客が用意した別のデータセンターでもよい。認証方式なども選択肢がある。ブロックチェーン技術なども使おうと思っている。

ブロックチェーンをどのような形で使うのか。

 これからの機能なのでまだ詳しくは言えない。将来、プライバシーやデータの所有、同一性の担保においてブロックチェーンが重要な技術になるであろうことは幅広く知られている。この領域でリーダーになっていく。