インテルは2015年4月2日、パソコン管理機能「vPro」を備えたプロセッサー製品群の新版、第5世代インテルCore vProプロセッサーファミリーを発表した。特徴の1つが、搭載したノートPCなどで、ディスプレイなど周辺機器をワイヤレスで接続する機能を強化したこと。それに関連してインテルは記者説明会を開催。トム・ガリソン副社長が登壇し、新製品にまつわる『進化する仕事術』について講演した。

写真●講演する米インテル コンピューティング・クライアント事業本部のトム・ガリソン副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長
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写真●講演する米インテル コンピューティング・クライアント事業本部のトム・ガリソン副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長

 この講演では、プロセッサーとは異なる観点からお話を始めたいと思います。企業のビジネスを動かす原動力は社員のアイデアです。より良いアイデアが浮かべば、ビジネスをより成功に導けます。ではその良いアイデアはどこからやってくるのでしょうか。

 ある研究によると、良いアイデアのきっかけは、ある人の予感です。それがほかの人々の予感とぶつかりあうことを繰り返して成熟化していきます。そうして良いアイデアが出来上がるのです。

 これは重要なポイントです。社員がある予感を同僚に打ち明ける。そしてそこから話が弾み新たな予感が生まれる。その繰り返しが生まれる職場を持つ企業が、良いアイデアを生み出しより良いビジネスを作り出せると言えます。そのためか、ある調査では、世界の7割の企業が職場変革プログラムを実践していると言います。つまり職場環境の変革は、世界的なトレンドになっているのです。

コスト削減のためにやったオフィス集約で思わぬ効果が

 もちろんこれまでも企業は、職場環境の変革を進めてきました。ですがその動機は、オフィスの省スペース化。企業はコスト削減をしたいために、複数拠点にあったオフィスを1カ所にまとめて社員を集め、オフィス賃料の圧縮を図っていました。

 オフィスを1カ所にまとめたところ、企業はいくつかの課題に直面し、解決を図りました。まず社員それぞれに専用スペースを用意することが難しくなり、モバイルコンピューティングへの移行を進めました。

 また省スペース化を図ったので、会議室のスペースを十分に取れなくなりました。これに対応するために、職場にいる社員は、同僚が座るデスクに行って話したり、共有スペースで話したりと、様々な工夫を凝らして対応しました。

 これが、副次的な効果をもたらしました。人々を1カ所に集めることで、同僚と頻繁に効率良くコミュニケーションを取れるようになって、生産性や創造性のレベルが高まったのです。

 さらに社員も、インタラクティブが生まれる職場を気に入りました。当初の狙いであるコスト削減だけでなく、生産性が向上し、社員を魅了するという副次的な効果が得られたわけです。

 これから企業は社員を魅了する職場を作ることが求められるとみています。2025年に従業員人口の75%を占めるようになる団塊ジュニアを対象にしたある調査では、フォーチュン500に含まれるような大企業で働きたい人はほんの7%にとどまりました。

 むしろ多かったのは、より俊敏でよりクリエイティブな中小企業で働きたいという人たちです。彼らはアイデアを自由に共有しながら働くワークスタイルに憧れています。ですから、企業はベストな人材を引き付けるには、ワークスタイル変革を起こす必要があるのです。