中学生・高校生向けに特化したプログラミング塾「Life is Tech!」を運営するライフイズテック。キャンプ、通学スクールに加えて、SkypeとFacebookを使った「反転学習」オンライン講座も開始した。同社の取り組みについて、水野雄介代表取締役CEO(最高経営責任者)に話を聞いた。

(聞き手は羽野 三千世 =日経コンピュータ


「中高生」に特化したプログラミング塾を始めたきっかけは。

写真●ライフイズテックの水野雄介代表取締役CEO
写真●ライフイズテックの水野雄介代表取締役CEO
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 私自身が高校物理の教員免許を持っており、教師としてこの世代と接してきた。どの中学・高校にも、一定数、PCで何かを作ることが好きな生徒がいる。しかし、日本の多くの学校には、彼らがプログラミング教育を受ける環境がない。学校内にないのなら、私塾の形でプログラミングを学べる場所を作ってあげよう。そのような思いから、2010年にライフイズテックを起業し、2011年からプログラミング塾「Life is Tech!」の運営を開始した。

 中高生は面白い。自分の意思を持ち始めるこの年代は、ちょっとしたきっかけで能力が飛躍的に伸びる。それに、中学生以上になると、数学力や英語力が本格的なプログラミングを学べるレベルに達する。Life is Tech!では、子供向けのプログラミング学習環境「Scratch」でゲームを作るのではなく、プロのプログラマーと同じ開発環境を使って、本当にApp StoreやWindowsストアなどへリリースできるアプリケーションの作り方を教えている。

小学生からでは早すぎるのか。

 ストアアプリなどを作るには、もう少し基礎学力をつけてからの方がいいと思う。もちろん例外的に、大人と同じ土俵でプログラミングができる能力の高い小学生もいる。Life is Tech!にも、どうしても入れてほしいと希望してきた小学生が1人だけ在籍している。

 小学生向けのプログラミング教育としては、サイバーエージェントとの合弁会社CA Tech Kidsで、Life is Tech!とは別カリキュラムの塾を運営している。

Life is Tech!ではどんな生徒が何を学んでいるのか。

 Life is Tech!には、春休みや夏休みを利用して3日~7日間集中的に学ぶ「キャンプ」と、1年間通学して学ぶ「スクール」、Skypeで学ぶ「オンライン」がある。

 キャンプは、東京大学、京都大学、九州大学などのキャンパスで開催し、そこに参加してくる中高生の8割はプログラミング初心者だ。中高生にとっては非日常である大学の中で、同世代の仲間と一緒に新しい体験をすることを楽しんでもらう。「アプリプログラミング」「デジタルアート」「WEBデザイン」「ゲーム開発」から、個々の嗜好に合わせて、好きなコースを選べるようになっている。