米マイクロソフトが2003年から開催する、学生向けのITコンテスト「Imagine Cup」。各国の予選を勝ち抜いた代表チームが世界大会に集い、アイデアや技術力を競う。15周年を迎える2017年の大会は、位置付けを大きく変更したという。今回の変更点と狙いを、日本マイクロソフト 執行役員の伊藤かつらデベロッパーエバンジェリズム統括本部長に聞いた。


2017年のImagine Cupの特徴は。

 Imagine Cupは、2003年から続いている当社の学生向けITコンテストだ。15周年を迎える今年、大会の位置付けを世界的に大きく変えた。当社は今「デジタルトランスフォーメーション」の推進に取り組んでいるが、Imagine Cupも“トランスフォーム”する。よりテクノロジーにフォーカスし、イノベーションの源泉となるような大会に位置付ける。

写真●日本マイクロソフト 執行役員の伊藤かつらデベロッパーエバンジェリズム統括本部長
写真●日本マイクロソフト 執行役員の伊藤かつらデベロッパーエバンジェリズム統括本部長
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 従来のコンテストは、どちらかというと“上から目線”で参加者を評価していた。だが今の時代は、オープンイノベーションが重要になっている。マイクロソフトは既に様々な形でオープンイノベーションを推進しているが、Imagine Cupも、若者の斬新なアイデアから刺激を受ける場として貴重だと考えている。

 具体的には、大きく3点を変更する。まず、従来設けていた「ワールドシチズンシップ、ゲーム、イノベーション」というカテゴリーを廃止する。より多くの学生が、より自由な発想で応募できるようにする。

 審査基準は、テクノロジーに重きを置いたものに変更する。前回は、「技術」の点数配分は全体の20%だったが、これを50%に引き上げる。前回はなかった「革新性」という項目も設ける。

 日本大会では、学生の起業マインドやグローバルコミュニケーション力、技術力を強化するための取り組みも行う。グロービス/グロービス経営大学院、ベルリッツ・ジャパンの協力を得て、各選考を通過したチームに特別プログラムを提供する。

 グロービス/グロービス経営大学院からは、起業マインドを身に付けられる講座を提供する。経営の基礎知識をスマートフォンで学べる講座や、マーケティング・経営戦略のワークショップ、ビジネスメンタリングなどだ。ベルリッツ・ジャパンは、英語によるコミュニケーションや、短い時間でインパクトのあるプレゼンテーションをするためのトレーニングなどを提供する。両者とも、無償で協力をしてくれている。