化粧品大手の仏ロレアルは、米国ラスベガスで開催された家電見本市CES 2018で、新商品「UV Sense」を発表した。爪に貼れる円形の小さなチップで、紫外線を計測する機能がある。紫外線量を確認して、こまめに日焼け止めを塗り直すといったことが可能になる。メディア向け展示スペース「CES Unvaild」で披露した。
UV Senseは電源不要の小さなチップで、厚さ約2mm、直径約9mm。紫外線量を常時計測しており、その結果はスマートフォンの専用アプリでチェックできる。スマートフォンとはNFC(近距離無線通信)で接続する。2018年に米国の一部で発売し、2019年にグローバルで販売する予定だ。
ロレアルグループのスキンケアブランドであるラ ロッシュ ポゼからの発売となる。価格は非公表だが、米国内での報道によると40ドル前後とみられる。
ロレアルはここ数年でテクノロジーへの関心を強めている。2016年にはシール状の紫外線測定シール「My UV Patch」を発売した。My UV Patchは、シールの色を変化させて紫外線量の増加を示す。さらに専用アプリで撮影すると、紫外線量を分かり安く表示するサービスも展開していた。My UV Patchは配布後世界37カ国で100万枚以上が使われ、利用者の34パーセントがより日焼け止めを使うようになり、37パーセントがより肌を紫外線から守ろうとするようになったという。
今回、ロレアルはシールからチップ状デバイスに製品形状を変更。My UV Patchはシールということもあり数日しか使用できなかったが、UV Senseは数週間使用できるという。また、スマートフォンと通信できるようにしたことで、紫外線量を確認しやすくなった。
化粧品業界はグローバル企業を中心に、テクノロジーをどのように自社製品に融合していくかが大きなテーマとなっている。資生堂は、2018年春に個人の肌状態に合わせたパーソナライズド化粧品を提供する「Optune」を発売する予定。同社はパーソナライズドファンデーションを販売する米マッチコーを買収するなど、化粧品のパーソナライズド化を中心にテクノロジーの応用を急ぐ。