2018年1月7日(現地時間)、米ラスベガスでの「CES 2018」に先駆けて、プレイベント「CES Unveiled」が開催された(写真1)。

写真1●米ラスベガスでCES Unveiledが開催
写真1●米ラスベガスでCES Unveiledが開催
(撮影:山口 健太、以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]

「Psion」似のキーボード付き小型端末

 英Planet Computersは、QWERTYキーボード搭載の小型端末「Gemini PDA」の実機を展示した(写真2)。同社がクラウドファンディングサイトの「Indiegogo」で出資を募ってきた端末で、2018年1月より最初の出資者に対して製品を出荷する予定としている。

写真2●Gemini PDA
写真2●Gemini PDA
[画像のクリックで拡大表示]

 QWERTY配列の物理キーボードを備えたクラムシェル型を採用した。本体を開くと背面の一部が本体を支える形状に変化し、安定したタイピングができるという(写真3)。デザイナーは、1990年代に「Psion」シリーズを手がけたMartin Riddiford氏だという。

写真3●安定したタイピングが可能に
写真3●安定したタイピングが可能に
[画像のクリックで拡大表示]

 画面サイズは5.99インチで2160×1080ドットで、縦横比は18:9となっている。折りたたむと大型のスマートフォン程度の大きさになる(写真4)。USB Type-Cポートを2基搭載しており、HDMIによる画面出力とUSBハブを同時に利用できる。外形寸法は171.4×79.3×15.1mm、重量は320g。

写真4●折りたたむとスマートフォン程度の大きさに
写真4●折りたたむとスマートフォン程度の大きさに
[画像のクリックで拡大表示]

 OSはAndroidとLinuxのデュアルブート仕様となっており、再起動により切り替える仕組みだ(写真5)。LinuxのディストリビューションはDebianだが、今後はより多くの選択肢を提供したいという。64GBのストレージを2つのOSで共有するが、MicroSDによる拡張にも対応する。

写真5●Linuxを起動した様子
写真5●Linuxを起動した様子
[画像のクリックで拡大表示]

 2018年1月8日時点でIndiegogoでは、299ドルの出資でWi-Fi対応モデル、399ドルの出資でLTE対応モデルを受け取ることができるとされており、いずれも小売価格より200ドル安いという。

スマホをノートPC化する「Mirabook」

 仏Miraxessは、スマートフォンを接続してノートPCとして利用できるクラムシェル型のドッキングステーション「Mirabook」を展示した(写真)。2017年のCESにプロトタイプを出展後、Indiegogoで出資を募っており、2018年より出荷を開始するという。

写真6●Mirabook
写真6●Mirabook
[画像のクリックで拡大表示]

 13.3インチ・フルHDのディスプレイとキーボード、バッテリーを搭載しており、外観はクラムシェル型ノートPCだが、PC機能は内蔵しておらずUSB Type-Cケーブルでスマートフォンを接続して利用する。

 対応するスマートフォンは、サムスンの「DeX」が利用できるGalaxy S8とGalaxy Note8、ファーウェイの「PCモード」を利用できるMate 10シリーズ、Windows 10 Mobileの「Continuum for Phones」など。いずれもUSB Type-CのDisplayPort Alternate Modeを利用して画面を出力している。

 インタフェースとしてUSB Type-Aを2ポート、充電用のUSB Type-Cポート、HDMI、オーディオジャック、MicroSDカードスロットを搭載する。バッテリー駆動により10時間の利用が可能。重量は約1.3kgとなっている。

 Indiegogoでクラウドファンディングを募っており、249ドルの出資で1台を受け取れるとされている。小売価格は299ドルとなっている。低価格のノートPCよりは高価だが、コンピューティングデバイスを1台のスマートフォンに集約できることのメリットを訴求していく、としている。