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2018年のITインフラ大胆予測

ブレーク必至のITインフラ技術、メモリー指向アーキテクチャーとは?

島津 忠承=日経SYSTEMS 2018/01/11 日経SYSTEMS
出典:日経SYSTEMS 2018年1月号p.47
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 2018年に企業の注目を浴びる可能性が高いITインフラ関連の技術・製品・サービスを、5人の有識者が選出する日経BP社の表彰制度「ITインフラテクノロジーAWARD2018」。「本命」の学習済みクラウドAIに次いでブレークの可能性が高い「対抗」には、「メモリー指向アーキテクチャー」を選出した。メモリー指向アーキテクチャーとは、全てのデータをメモリー上に持って処理する想定のアーキテクチャーである。

主記憶をフル活用して遅いデータアクセスと決別

 近年、システム性能を高める上でデータへのアクセス速度が課題となっている。ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置に格納するデータへのアクセス速度がミリ秒単位と遅いためだ。

 メモリー指向アーキテクチャーであれば、アクセス速度が数十ナノ秒と大幅に向上する。プロセッサーの多数のコアを効率良く活用でき、処理性能を飛躍的に高められる。「ポストムーア時代の必然的なアーキテクチャーだ」(国立情報学研究所の佐藤一郎副所長 情報社会相関研究系 教授)。

 メモリー指向アーキテクチャーを想定して大容量のメモリーを搭載できる製品も登場している。米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の「HPE Superdome Flex」は、最大48テラバイトのメインメモリーを搭載できる。日本では2017年12月13日に発売した。インメモリーデータベースと組み合わせると、リアルタイムでのデータ分析が可能になるほか、深層学習の学習作業など膨大な計算を必要とする作業を大幅に短縮できる。

米ヒューレット・パッカード・エンタープラ イズの「HPE Superdome Flex」
出所:日本ヒューレット・パッカード
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さらに先のアーキテクチャーも

 さらにHPEは、「メモリー・ドリブン・コンピューティング」と呼ぶアーキテクチャーを提唱。同アーキテクチャーに基づく次世代のコンピュータを開発する社内プロジェクト「The Machine」を展開中だ。

 メモリー・ドリブン・コンピューティングは、現行のメモリー指向アーキテクチャーを発展させたものと捉えられる。主記憶装置に「ストレージクラスメモリー」と呼ばれる次世代不揮発性メモリーの利用を想定する。ストレージクラスメモリーは電源を落としてもデータが消えない、DRAMよりも高密度化しやすいといった特徴を備える。ストレージクラスメモリーによって、さらに大容量化を進めやすくなる。

米ヒューレット・パッカード・エンタープライズが提唱する「メモリー・ドリ ブン・コンピューティング」
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 また、プロセッサーと主記憶装置を結ぶネットワークは光回線で高速化する。通信規格はGen-Zコンソーシアムが策定中の「Gen-Z」が候補という。Gen-Zは、遅延が小さく、FPGAやGPUなどからも直接メモリーとやり取りできる規格。「アプリケーションに応じて最適なプロセッサーで処理する仕組みになる」(日本ヒューレット・パッカードの三宅祐典コアソリューション部 The Machineエバンジェリスト)。これにより、処理性能のさらなる向上が期待できる。

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