2017年はIoT(インターネット・オブ・シングズ)活用に一歩踏み込んだ年となった。SIベンダーのソリューション記事が増え、ユースケースもバラエティに富んできた。一方でネットワーク記事への関心が高まるなど、IoT導入の考慮点も具体化している。
ランキング1位は「日立のIoT、9000億円で感じた疑問」。日立製作所のIoTソリューション「Lumada」の売上高が明らかになったのを受けた記事だ。売上高の内訳は「Lumada SI」と「Lumadaコア」から成り、個別SIの前者より、汎用ソリューションの後者のほうが今後は伸びると見る。ソリューションを横展開しやすいIoT事業を象徴する動きである。富士通やNECなども、製造業向けデジタル化支援サービスを充実させてきた。
2位には「大量のIoTデバイスでWi-Fiはパンクする」が入った。IoT機器の台数が増えていったときに、無線LAN帯域がオーバーヘッドになるのを実験で示した。「IoTのデータ通信『LoRa』、電波は何キロ飛ぶ?」も同様の実験企画。IoT活用の本格化に伴い、ネットワークへの関心も高まってきた。
3位にランクインしたのは「IoT人材の特需はせいぜい5年と思っていたら『100年』続くらしい」。IoT人材の不足をテーマに、組み込みや制御ソフトウエア開発エンジニアの獲得競争が激化している現状を紹介した。必要スキルや待遇を明確にした求人が増えているように、求められるエンジニア像がはっきりしてきた。
IoTのユースケースも多数ランクインした。時間貸し駐車場やカーシェアリングを手掛けるパーク24は、駐車場機器やカーシェア車両のセンサーから逐一データを収集して管理に生かす。会議室やトイレのリアルタイムの空き状況をIoTで見える化する試みは、多くのオフィスで応用できるだろう。