2017年の「モバイル」で話題を独占したのは米アップルのiPhone Xだ。iPhone10周年を迎え、その集大成として様々な新機軸を打ち出したiPhone Xの記事は、上位10本中で6本を占め、人々の関心を大いに集めた。
第1位は「iPhone Xはどこが良くてどこが悪いか、1カ月使っての結論」。ビジネス書作家の戸田覚氏が1カ月間使い込んだうえでiPhone Xの利点と欠点を紹介している。このほかiPhone Xのレビュー記事は第5位「iPhone Xは自慢できず残念、予想外に楽しかった『アニ文字』」、第6位「iPhone Xの顔認証で感じる、やっぱりホームボタンは偉大だった」がランクインした。
iPhone Xの記事が数多くランクインする一方、同時に発表されたiPhone 8/8 Plusは既存ラインアップの延長線上にある製品とみなされたのか、振るわなかった。唯一タイトルに「iPhone 8」という言葉が入った記事は、第4位の「iPhone Xは文句なく買い、『20分天下』の不遇なiPhone 8に同情」。iPhone 8はかませ犬的な扱いだ。
気を吐いたGalaxy Note 8、意外に読まれた新型iPad Pro
上位にiPhone Xの記事が並ぶなか、気を吐くのは韓国サムスン電子のGalaxy Note 8。レビュー記事「S8+購入を激しく後悔させるGalaxy Note 8」が第3位となった。Galaxy Note 8は発火が問題となったGalaxy Note 7の後継モデルであり、かなり力を入れた製品のはずだと筆者は指摘している。筆者は春に登場したGalaxy S8+を購入済みでGalaxy Note 8に買い替えないとしながらも、S8+を後悔するほどNote 8は優れていると評価した。
意外によく読まれたのが、2017年6月に発表された10.5型の新iPad Proに関する記事。8位「10.5インチの新iPad Pro、一瞬も迷わず購入を決めた」、12位「新型iPadの登場とラインアップ整理、その狙いとは?」、13位「自腹レビュー、10.5インチ『iPad Pro』とJISキーボードを試す」、20位「2週間使い込んで分かったiPad Pro 10.5、スペックで語れない進化ポイントが随所に」と、iPhone Xに次いで多いランクインとなった。
激動の時代を迎えた通信業界
激動の時代を迎えた通信業界を象徴する記事もランクインした。
第15位「破たん寸前だった『FREETEL』、楽天には“良い買い物”」と第14位「大失速の格安スマホ、総務省の次の一手」は、これまで右肩上がりだった格安スマホをはじめとしたMVNO(仮想移動体通信事業者)事業が曲がり角を迎えたことを示している。
他国に比べて国内のiPhoneシェアが飛び抜けて高いことは知られている。そうした状況を作り出してしまった携帯大手3社の販売戦略を歴史的にひも解いたのが第18位の「“アップル代理店”に成り下がった携帯大手3社、不平等条約から抜け出せるか」だ。
その裏返しとして、第11位の「ドコモの『ツートップ戦略』がとどめ、日本から携帯電話メーカーが消える日」は、日本の携帯電話メーカーが軒並み凋落していく過程を分析している。
2017年に10周年を迎えたiPhoneにとって、2018年は「次の10年」の最初の年に当たる。次の10年を見据えてモデルチェンジしたiPhone Xの次の一手は何か。他社はこれにどう対応していくのか。2018年もiPhone Xが台風の目になりそうだ。