オウケイウェイヴの加納 憲一郎氏(技術本部 副本部長 アドバンスト開発部 マネージャー)はかつて、システムの変更作業で大きなミスをした。本番データを間違えて大量に更新してしまったのだ。利用部門の責任者から怒鳴られ、その後上司にも怒られ「とことんへこんでしまった」(加納氏)。

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 このように、自分の大きなミスでへこんだときは「現場で気持ちを落ち着かせる」「仕事から離れて気分転換する」「起こった出来事を振り返る」の三つのステップで気持ちを上方修正しよう。これが復活術の基本になる。

大きなミスでへこんだときの復活術
大きなミスでへこんだときの復活術
気持ちの落ち着かせ、気分転換、振り返りの三つのステップを踏むことで復活できる
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脳の仕組みを使って落ち着く

 第一ステップは現場で気持ちを落ち着かせる。それには、意識的に体を動かすようにしよう。例えば自分の席から立って歩く、話す。メールを処理するでもよい。アイ・ティ・フロンティアのPM、田添智士氏(技術本部 インダストリーセンター 第2部)はへこんだときは意識的に自席を立つ。「歩くと冷静になって、ほかのことを考えられる」と効果を語る。

 意識的に動くと落ち着くのは脳の仕組みが関係している。脳神経外科医の築山 節氏(河野臨床医学研究所付属北品川クリニック 所長)によると、脳では感情と運動をつかさどる部位は分かれていて、血液によるエネルギー供給はどちらか一方にしかできない。へこんでいるときは感情の部位にエネルギーが供給されている。そこで「意識的に動き、感情の部位にエネルギーを供給させないようにすれば、へこんだ気持ちは薄れていく」(築山氏)。

 開き直りの言葉を心の中でつぶやくのも有効だ。三井情報の金田慶春氏(サービス事業本部 DCサービス営業部 部長)は大きなミスでへこんだ直後、「何も自分の命まで取られるわけじゃない」と心の中でつぶやく。「ミスで強く感じた深刻度が薄れる」(金田氏)という。