日本交通の配車アプリ「全国タクシー」は現在、約650社のタクシー会社で使え、対応車両数は約5万台に上る。日本国内を走るタクシーの総台数が約24万台なので、「全国タクシー」が約20%のシェアを占める計算だ。
使い方はいたって簡単。アプリを開き、地図上で乗車場所を指定して、注文ボタンをタップするだけ。タクシーが到着するまでの時間はもちろん、近くを走るタクシーがいるかもリアルタイムに確認できる。
降車場所を指定すれば乗る前に料金や経路、時間なども確認できる。あらかじめネット決済用に登録をしておけば降車時に財布を開く必要もない。領収書はWebでも発行できる。もちろんアプリは無料で使える。
訪日外国人客向けの対応も着々と進む。英語や簡体字中国語、繁体字中国語、そして韓国語でも使えるようにした。乗客を他のアプリからも誘導できるようにヤフーや米グーグルと提携。それぞれの地図アプリからタクシーを配車できるようにしている。
第一交通産業や東京無線協同組合といった競合も配車アプリを提供するなか、「全国タクシー」が5台に1台までシェアを伸ばしたのは機能面の拡充もさることながら、提携先に配慮した仕組みの功績が大きい。日本交通のシステム子会社で「全国タクシー」を開発・提供するJapanTaxiの岩田和宏CTO(最高技術責任者)は「乗客はもちろん、全国のタクシー会社にとって使いやすい仕組みを構築した」と説明する。