RPA導入の第一歩は、自社に最適なツール選びにある。人手のPC操作をソフトロボに「記録」させ、ロボに仕事を「実行」させる。記録と実行を担うRPAツールが、この半年で一気に充実してきた。
「金融から製造、商社、広告、電力まで、2017年に入って様々な業種の企業から引き合いが急増している」。RPAツール大手、英UiPath日本法人の長谷川康一CEO(最高経営責任者)は明かす。
関心の高まりを捉える形で、RPAツールベンダーが新たに日本市場に参入したり急ピッチで事業を拡大したりしている。UiPathは2月に日本法人を設立。伊藤忠テクノソリューションズなど複数のITベンダー10数社と販売提携するなど拡販に動く。米オートメーション・エニウェアは7月に日立ソリューションズと販売提携して日本上陸。10月には日本IBMと共同でRPAツールの導入支援サービスを始めた。
ユーザー企業がRPA導入を成功させるためには、自社のニーズや目的に合うツール選びが欠かせない。ソフトロボの使い勝手や得意とする領域、価格、運用管理のしやすさなどは製品ごとに異なる。
ツールベンダーやコンサルティング会社への取材から浮かび上がった選定のポイントは3つ。「ソフトロボの稼働環境」「自動化の精度を高める技術」「ソフトロボのタイプ」だ。
動作環境で違う強み
1つめの稼働環境は、ソフトロボの開発・修正や運用体制をどうするかによって最適解が変わってくる。現在のRPAツールは、開発したソフトロボを主に利用部門のPC上で動かす形式と、情報システム部門などが管理するサーバー上で一元的に動かす形式の2種類に分けられる。