データ入力代行などBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のサービスを提供するベンダーも、サービス品質や競争力を高める切り札としてRPAの活用に動き始めた。

 「オペレーターの業務スキルと業務プロセス標準化のノウハウにRPAなどのデジタル技術を組み合わせて付加価値を高める」。トランスコスモスの川本武士理事はこう意気込む。三井住友フィナンシャルグループ(FG)とNECがRPAを使ったBPOサービスを始めるなど、動きは広がっている。

 トランスコスモスはRPAと人工知能(AI)、スマートフォンのチャットアプリなどを組み合わせたBPOサービスの開発に取り組む。データ入力や業務システムの監視といったバックエンド部分にRPAを適用する。

トランスコスモスのBPOサービスにおけるRPAの位置付け
トランスコスモスのBPOサービスにおけるRPAの位置付け
(出所:トランスコスモス、以下同)
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 導入効果は既に出ている。金融業の口座申し込み処理のうち、OCR(光学的文字認識)で読み取った手書きの内容を正しくデータ化する工数は30%減った。製造業の資産管理台帳のデータ集計からリポート作成までの時間は、2日間から半日へと4分の1に縮まった。

「人月いくら」から脱却

 RPAを使うことで、「顧客企業の業務処理のスピードや品質を高められる」(トランスコスモスの内村弘幸常務執行役員)。同社自身も業務の生産性を高めて、採算性や利益率を改善できると期待する。